佐賀大学医学部 麻酔・蘇生学教室

0952-34-2324

手術部

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<h3 id="surgeryunit-message">手術部副部長からのメッセージ</h3>
<p style="text-align: left;"> 佐賀大学医学部附属病院の手術部は10部屋の手術室で運営されておりましたが、病院再整備により2015年夏から14部屋に増設されました。緊急手術(全体の13%)で、地域医療機関からの転送や当院救急部受け入れ直後などの急を要する症例も少なくなく、佐賀医療圏の“最後の砦”としての役割を果たしていると自負しています。
現代の医学の進歩はめざましく、佐賀大学手術部でも新しい内視鏡手術や血管内治療など10年前には想像できなかった治療法が日常的に行われるようになりました。これまでの方法よりも患者さんへの負担が少ない形で治療を行うことが可能となっています。このような先進医療を事故なく行うには、特殊な器械や手術室、専門知識を持った医療スタッフが必要で、当院手術部でも麻酔科医・看護師・臨床工学技士・放射線技師・検査技師などが患者さんの安全や外科医のスムーズな手術をサポートしています。
限られた手術室やマンパワー(人手)をフル活用して、すべての患者さんに安全で高度な手術を受けて頂くためには効率よく手術室を運営する必要があります。人や物が不足しているために、手術が手遅れになるというような事態は何とも避けねばなりません。そのために<span style="text-decoration: underline;"><span style="font-size: small;"><strong>当院で手術をお受けになる患者さんやご家族にもお願いがあります。</strong></span></span>
ご自身(ご家族)の病気や健康状態、飲んでいる薬などについて日ごろからよく理解して、手術の際には医療スタッフに正確にお伝え下さい。それは手術の際のトラブルを防いで不必要な追加治療を行わずにすむための第一歩となります。また、ご自身の生命を守るだけでなく、他の患者さんにも必要な治療を早く安心して受けて頂くことにもつながっていきます。地域のすべての患者さんの健康を維持するために、皆様のご協力をぜひともよろしくお願いいたします。</p>
<p style="text-align: right;">手術部副部長 髙松千洋</p>

<h3 id="who_receive_surgery">手術を受けられる方へ</h3>
<strong>手術を承諾される前に必ずお読みください。
なお、貴方の麻酔に関しては手術前日に麻酔担当医からご説明致します。</strong>

麻酔は、手術に伴う痛みと不安を緩和し、筋肉の緊張をとって手術が円滑に行える状態にするとともに、手術によって生じる様々な反応を調節することによって呼吸や循環、体温を維持するために必要です。
しかし、手術に様々な危険がともなうように、麻酔にも危険がともないます。近年、麻酔の安全性はかなり向上しましたが、100%安全ではありません。
全身麻酔では酸素の通り道を確保するために気管の中に管を入れます。この操作にともなって、歯がぐらぐらしたり、抜けたりする可能性があります。
またこの管の影響で、のどの痛みや声のかすれが数日続くことがあります。局所麻酔(脊椎麻酔、硬膜外麻酔)
では、頭痛が残ったり、尿が出にくくなることがあります。また、術後も下肢のしびれが続いたり、動きにくくなるということも稀ですが起こります。その他、吐き気も見られます。
さらに、もっと重大な事態も発生します。麻酔専門医が勤務している我が国の病院における統計によりますと、手術室における心停止、低酸素、極端な低血圧の発生頻度は、1万人あたり各々7,8,19人です。このうち麻酔が原因の心停止、低酸素、極端な低血圧の発生頻度は各々1,4,5人です。このような手術室において発生する事態のために死亡する頻度は1万人に7人ですが、麻酔が原因で死亡する頻度は1万人に0.2人、つまり5万人に1人となっています。
麻酔科医はこのような事態の発生をできるだけ回避するとともに、異常事態を可能な限り早期に発見し、適切迅速な対処を行うように努めています。

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お子さまに麻酔が必要になったとき

 お子さまが病気の時の時、病院へ行くと言うことは、あなたにとってもお子さま自身にとっても不安がありますね。あなた方の経験をポジティブなものにしようと最善を尽くしているたくさんの医師や、看護婦やほかのスタッフをごらんになると思います。小児科医や、小児外科医のように小児医療の専門の医師がいるのと同じように、小児の麻酔のための特別な修練を積んだ麻酔医もいるのです。

子供の手術や治療にあたって麻酔科医は何をするのですか?

小児のケアにおいて麻酔科医は非常に多方面から関わりを持ちます。
主な役割は手術中、安全で最適な状態を作り維持することと、病院の入院期間全般をできる限り快適なものにすることです。
麻酔科医はどんな手術でもあなたのお子さまに施される手術操作のもっとも重要な点について考えます。
麻酔科医は手術中に起こる可能性のある呼吸、心機能、血圧の変動や、たとえそれがめったに起こりえないことであっても予期しない出来事について常に防衛できる体制をとっています。
あなたのお子さまの手術の最適な安全性を確実にすること以外に麻酔科医はお子さまにとってその手術操作が可能な限り快適になるように様々な修練を受けています。
麻酔科医は子供たちが病院や手術というものに対してどのように反応するかをよく知っています。麻酔科医は医師として小児科医や外科医、あるいはほかの専門医と一緒に働き、あなたのお子さまの入院生活の質を向上させようと日々努力をしています。
病院の手術室以外の場所でもあなた方は麻酔科医と会うことがあるでしょう。
たとえば、お子さまが診断目的の特殊な放射線検査などを受ける必要が生じたとき、お子さまの安全と安心のために麻酔を行います。
手術のあとも、麻酔科医はお子さまの痛みを和らげる治療に関与します。また、小児の集中治療室でも治療を行ったり、主治医からの相談に応じたりして関わります。
手術を受けない場合でも、ほかの治療に付随して必要となる痛みの治療や、呼吸管理に関与することで、麻酔科医はあなたのお子さまの治療に深く携わっています。

親としてどんな手伝いができますか?

麻酔医と手術担当医はあなたのお子さんの病院受診や入院を可能な限り快適なものにしようと最大限の努力をしています。
しかし、お子さまの治療にはあなたの役割はとても大切な鍵となるのです。
お子さまが手術を受けることが決まったら、できるだけ早くあなたがお子さまの手術の準備を始めることが大切です。
子供たちはその準備ができていればいるほど、手術や麻酔にちゃんと耐えることができます。
私たちみんながそうであるように、子供たちも未知のものに対して生まれつき恐怖心を持っています。
子供たちの不安を取り除くためにできることは何でもやってあげましょう。また病院や手術室で行われることについてよく説明してあげましょう。そうすればあなたのお子さまの経験はとても改善されるでしょう。
あなたのお子さまにこれからどんなことが起こるのかを説明する前に、これからどんなことが起こるのかについてあなた自身が学ばなければいけません。
手術前に麻酔科医によって行われる術前訪問であなたのお子さまの麻酔についてあらかじめ学んでおくことはとても大切なことです。

これから何が起こるかをあなたが学んだあとは、自信を持ちましょう。学ぶ前よりずっと、穏やかに、誠実にお子さまに向かって話すことができるはずです。
正直にと言うのがキーワードです。
お子さまにはまず、これまで見たこともない環境に行かなければならないことを説明しなければなりません。でも底にはよく知っている仲良しの先生や看護婦さんたちが待っているということも説明しなければなりません。子供亜たちはこれから手術を受けるということと、術後にいくらか不快なこともあるというのを分かっていなければいけません。
それからお子さまに、あなたは一緒にその部屋に行くことができないけれども、すぐそばで待っているということを話してください。

親としてあなたがまず落ち着くことが肝心です。
自信たっぷりの親の態度に勝る子供を落ち着かせる手段はありません。
もちろん子供が手術を受けるときに親が不安になるのは当然のことですが、それが子供に伝わらないようにするのがベストです。
病院でどんなことが起こるのか、病院はどうなっているかなど、色々説明してあげてください。たとえば、病室のこと、廊下のこと、ほかにも子供たちが入院していることなど、何でもです。
入院中に行われる全てのことについてあらかじめ説明を済ませておくことでお子さまを安心させてください。

麻酔科医にお知らせいただきたい点

麻酔科医はあなたのお子さまが手術前に可能な限り最上の身体状況であることを確認したいと思っています。
あなたはいくつかのとても重要な質問を受けるはずです。それらはたとえばアレルギーや喘息があるかどうかというお子さまの普段の健康状況に関する質問、ご家族の中で以前に手術を受けたことのある方に、その麻酔を行うにあたり何か問題となることはなかったかどうかという質問、さらにお子さま自身がすでに麻酔の経験があれば、その麻酔の状況についての質問などです。
これらの質問をしながら麻酔科医はお子さまの身体状況を評価していきます。
その間に麻酔科医は、お子さまに対してどのような麻酔法を適応しようとしているかについて説明します。どのようにして麻酔をかけ始め、その後どのようにその状態を保っていくのかについて説明します。
また、手術の前にお子さまの気持ちを落ち着かせる処置をするかどうかについてもご相談いたします。
他にも麻酔に関して詳しく知っておいていただきたいことがあればその都度適切に説明いたします。

鼻づまりなどをはじめとする風邪症状のような軽い病気が、お受けになる手術や麻酔の種類によっては問題となる場合があります。
このような理由から、麻酔科医が手術日を延期した方がよいと判断する場合もあります。
麻酔科医は常にあなたのお子さまの安全に配慮しているのです。

手術の前に飲んでおく薬などがありますか?

以前は、手術を受ける子供は事実上全員、手術室に入出する前に鎮静薬と呼ばれる薬の注射を受けていました。
最近では子供が落ち着いていて、入院や入院、手術中の処置に関するストレスを和らげるためのご両親の確実で自信に満ちた手助けが行われている場合には、鎮静が必要でない場合もあります。
しかしご両親のそのような努力にも関わらず、手術前に鎮静のための投薬が必要なお子さまが何人かおられます。
この場合は、できるだけ口から飲む薬を使うようにしています。場合によっては注射や坐薬を使う場合もあります。それらは前投薬と呼ばれています。前投薬の時間は状況に応じて変わりますので、麻酔科医の指示に従ってください。
どのような薬を使用するかについては、麻酔科医が術前訪問の際に決めてお知らせいたします。

私の子供にはどうやって麻酔をかけるのですか?

麻酔がかかっていない状況から麻酔がかかった状態に移行させる(麻酔導入)にはいくつかの方法があります。
大人の場合にもっとも一般的な方法は、静脈に麻酔薬を注入することでそれがはじまります。その場合には、急速に意識がなくなります。
この方法は子供の麻酔導入にも使うことが可能です。
子供の麻酔導入には別の方法もあります。意識がなくなるまで口や鼻に当てたマスクから麻酔薬を吸入する方法です。この方法では、麻酔科医は「マスクを口に近づけるよ。ゆっくり息をしてね。」などといって麻酔薬の吸入を促します。注射など、体に針を刺したりする行為はすべてお子さまがしっかりと眠ってしまってから行われます。
どちらの導入方法であなたのお子さまの麻酔を始めるかについては、様々な要因を考慮して麻酔科医が決めます。

麻酔薬は手術が行われている間中、完全に痛みを抑え、意識をなくしておくことが可能ですが、稀に副作用も生じます。
麻酔薬は呼吸や心機能の抑制、血圧を低下させる傾向があります。
麻酔科医はこれらの麻酔薬による影響を最小限にするするための様々な方法を確実に修得しています。
手術が終わって麻酔から覚醒する状況はお子さまによって千差万別です。リカバリールーム(回復室)に移ってきたときには完全に目が覚めている子供もいます。手術後数時間はふらふらしたり、ぼーっとしている子供もいます。
手術後の覚醒などについて心配な点があれば、いつでも麻酔科医にお尋ねください。
今日、手術の安全性はとても向上しているのですが、体にストレスを与えていることは事実です。多くの子供は気分が悪いと感じるでしょう。
手術や麻酔による副作用として、術後に吐き気を感じたり実際に吐いてしまうことは比較的多く見られます。

全身麻酔以外の麻酔法はできますか?

今日では、全身麻酔によって意識をなくしてしまうのではなく、体のある一定の部分だけの痛みをとることが可能です。
たとえば、お子さまが足の手術を受けるとき、足の痛みの感覚だけを消失させることができます。痛みを抑制させたい局所に麻酔薬を注入したり、Regional麻酔と呼ばれる麻酔法によりこのことが実現できます。
Regional anesthesiaにはいくつかのタイプがありますが、子供に用いられるもっとも一般的なタイプは硬膜外麻酔と呼ばれる麻酔法です。それは腰から非常に細い管を入れて、その管を通して麻酔薬を注入する方法です。管の先端はどの部分の痛みをとるのかによって正確に決まっています。
全身麻酔薬の使用総量を減らしたりする目的で、吸入麻酔時に、静脈からの鎮静薬投与やregional anesthesiaを組み合わせて行うこともよくあります。
Regional anesthesiaを用いるその他の利点として、それが術後の痛みの治療にも使えるということがあげられます。
Regional anesthesiaの利点と欠点について麻酔科医からよくお話をお聞きになってください。

手術のあとの痛みは抑えられますか?

麻酔科医はあなたのお子さまの手術後の痛みのコントロールを直接行ったり、主治医からの相談に応じたりすることで、強く関わっています。
いわゆる鎮痛薬を注射することが今でももっとも一般的な方法ですが、快適さなどの点から他にも術後の除痛手段があります。
たとえばPCAと呼ばれるコンピュータで制御された注入ポンプ装置を使うと、痛みがあるときにお子さまが自分でその装置のボタンを押すことによってあらかじめ設定された必要量の鎮痛薬が注入される仕組みになっています。もちろん過剰投与にならないような仕掛けもちゃんと施されています。
PCAは8歳以上のお子さまであれば使い方を理解することができます。

別の方法としては、硬膜外カテーテルという細い管をお子さまの背中から挿入し、それを通して痛みを抑える薬を少量注入する方法もあります。他の術後鎮痛手段に比べてお子さまの意識はしっかりと保たれますし、副作用が少ないのが特徴です。硬膜外注入による術後鎮痛は術後数日間にわたって行われることもあります。

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